Black★Joker【完結】


どうして龍馬に心を奪われてしまったんだろう。


さっきの女の人の口ぶりからして、龍馬とは昔からの知り合いだ。


少なくとも、あたしより龍馬のことをよく知っている。


でもあたしは、


龍馬のことを何も知らない。



「もう……最悪だよ……」


龍馬と一緒にいられる貴重な時間だったのに。


それを無駄にしてしまった。


さっきまであんなに楽しく過ごしていたのに。



ツーンッと鼻の奥が痛んで、慌てて唇を噛む。


すると突然、ガシッと誰かに腕を掴まれた。