「ハァハァ……」 龍馬の姿が見えなくなると、あたしは膝に手をついて呼吸を整えた。 振り返ってみても龍馬の姿はない。 「……あたし、最悪だ……」 勝手に怒って逃げだして。 残された龍馬はあたしが逃げた理由も分からずに困っているはず。 だけど、我慢できなかった。 龍馬に『妹』扱いされるのが。 目の前で自分以外の女の人と親しげに話しているのが。 あたしは龍馬の妹になりたいんじゃない。 龍馬の……彼女になりたいんだ。 あたしは龍馬が…… 苦しくなるほど大好きなんだ。