Black★Joker【完結】


「ハァハァ……」


龍馬の姿が見えなくなると、あたしは膝に手をついて呼吸を整えた。


振り返ってみても龍馬の姿はない。



「……あたし、最悪だ……」


勝手に怒って逃げだして。


残された龍馬はあたしが逃げた理由も分からずに困っているはず。


だけど、我慢できなかった。


龍馬に『妹』扱いされるのが。


目の前で自分以外の女の人と親しげに話しているのが。



あたしは龍馬の妹になりたいんじゃない。


龍馬の……彼女になりたいんだ。


あたしは龍馬が……


苦しくなるほど大好きなんだ。