Black★Joker【完結】


「あー……今日は無理だな。可愛い妹はクラブに連れて行けないし。また今度な?」


「えー?どうして?」


「可愛い妹に手を出す男がいるしかもしれないから」


「じゃあ、妹ちゃん家に送ってから出てきなよ?」


女の人の「妹ちゃん」という言葉を聞いた瞬間、全身がカッと熱くなった。



あたしは龍馬の妹じゃないよ。


妹なんて呼ばれたくない。


……――龍馬の妹になんてなりたくない!!



「……あたし、帰るから!!」


「あ、おい……――美空!!」


背中に龍馬の低い声がぶつかる。


あたしはその声を無視して、勢いよく走り出した。