Black★Joker【完結】


「もしかしてあなた、龍馬の彼女?」


「え……?」


顔を上げると、女の人の大きな目があたしを捕えていた。


その目に浮かぶ好奇心に気付き、首を横に振る。



「いえ……あたしは……」


龍馬の彼女じゃない。


「違うって。この子は俺の妹みたいなもん。可愛いだろ?」


あたしが答えるより先に、龍馬はそう言ってあたしの頭をポンッと叩く。


「うん、すごい可愛い。でも可愛い妹に手出すんじゃないわよ?」


「分かってるって」


「あ、そうだ。今度またクラブ行こうよ?みんな龍馬のこと待ってるよ?」


「暇があったらな」


「今日もイベントあるよ?暇なら一緒に行かない?」



女の人は身ぶり手ぶりを交えて龍馬に話しかける。


あたしはどうすることもできず、ただぼんやりと女の人のキラキラと輝く指輪を目で追っていた。