もう間接キスなんて言ってられない。
「ちょっと貸して?」
堪らず龍馬からミルクティーを受け取って口に含む。
甘いミルクティーと口の中の苦みが合わさって変な味がした。
「……次、龍馬の番だよ?」
「忘れてなかった?」
「忘れてないよ。はい、頑張って」
ようやく口の中の苦みを感じなくなった。
ニコッと笑いながら龍馬にミルクティーを手渡すと、龍馬はハァと溜息をついた。
「……分かったよ」
眉間に皺を寄せながらミルクティーを口に含む。
「どう?美味しいでしょ?」
あたしがそう聞くと、龍馬は顔を歪めて首を横に振った。
「俺、決めたわ。二度とミルクティー飲まない」
「龍馬、やっぱり子供だね」
「子供ですいませんね」
龍馬とあたしは互いに目を見合わせてクスクスと笑いあった。



