Black★Joker【完結】


「でも逆に、あたしにはコーヒーの良さが全然分かんないよ」


「飲めないのか?」


「うん。小さい時にお父さんのコーヒー飲んだらすごい苦くてトラウマになったの。あれから一度も飲んでない」


「案外うまいかもよ。飲んでみる?」


龍馬は「ほら!」と挑発的な表情であたしに缶コーヒーを差し出す。


「……えぇ?!いいよ!絶対不味いもん!!」


「美空も子供だな」


「子供じゃないもん!!」


頬を膨らませるあたしを見てクックと喉を鳴らして笑う龍馬。


「じゃあ、あたしのミルクティーと龍馬のコーヒー交換して飲もうよ!!」


「いいよ。ほら、貸せ」


龍馬はあたしのミルクティーを手に取り、コーヒーをあたしに手渡した。