それはきっと龍馬の気まぐれなんだろう。


だけど何となく期待しちゃう。


女として意識してくれたかもって。



「おい、美空。聞いてんの?」


「あ……うん。何か飲もうか?」


目の前で大きな手の平がヒラヒラと揺れる。


「なんでボーっとしてんの?」


「ごめんね!何でもないの」


「変な美空」


ハッと我に返ったあたしを龍馬は不思議そうに見つめていた。