「今からどこ行く?まだ時間平気か?」


「うん。あたしは大丈夫。龍馬は行きたい場所とかある?」


「んー……、ラブホ?」


龍馬はポケットの中から取り出した煙草に火をつけながらニヤッと笑う。


「……最低」


龍馬の頭の中の99%はエッチなことで埋め尽くされている気がする。


男の子ならそれが普通かもしれないけど、わざわざ口に出すなんて。


カッコいい男がエッチなことを口にすれば女の子だってその気になるじゃない。


他の女の子にも言ってるとしたら、ちょっぴりジェラシーを感じる。



「冗談。つーか、何か喉乾かねぇ?」


あたしが横目でチラッと睨むと、龍馬は涼しい表情で話を変えた。



龍馬はどうしてあたしの心をかき乱すようなこと平気で言うんだろ。


あたし……頑張ったんだけどな。


『龍馬になら襲われても……いいよ?』


でも、龍馬は何も感じていないみたい。


鈍感なのか……それとも、わざとはぐらかしてるのか。


だけど、一つだけ分からないことがある。


龍馬はどうしてあたしにキスしたんだろう……?