俊平とは中学時代からの仲だ。


いつの間にか知り合って、いつの間にかツルむようになった。


だからこうして、暇になると用もなく俊平の家にやってきて自分の家のようにくつろぐ。


散らかっている自分の部屋と違って、俊平の部屋はいつ来ても片付いている。


俊平の部屋はいつだって居心地がいい。



「てかさ、お前川上と会ってやり合わなかったわけ?」


俊平の手元の煙草から立ち上る白い煙が部屋の中に充満する。


その煙を見ていると、自然と手がポケットの中の煙草に伸びた。


「あぁ。そばに女がいたから」


「女?」


「そう。あいつら、路地裏に女連れこもうとしてたんだよ」


「最低最悪だな」


煙草に火を付けると、二人分の煙で部屋の中がバルサンを炊いたように白くなる。


俺は仕方なく立ち上がると部屋の窓を開けた。