フッてくれて有り難う【季節短編】





その内、ポツポツと静かに涙のような雨が落ちてきた。


さっきまで茜色だった真っ赤な淡い空は煙のかかったような不安そうな表情に変わった。


晴天、て言ってたのに。


何だか空に見放されたみたい。


でも大丈夫だよ。私、負けないから。


空がこんなだって、私の心は晴天さ!


うしっ、と拳にガッツを入れた。