フッてくれて有り難う【季節短編】





空が茜色に変わるまで、私がそわそわし出すまで、私はただ壁にもたれてた。


待つって長いなぁ。


今までの事を何で今更思いっきり思い出すのだろう。


今日、だからだろうか。


さっきからそわそわしてならない。


心臓の音はいつも以上に大きくなる。


「ん?どーしたの?」


ふいに部活が終わった友達が話しかけてきた。


「あはは、ちょっとねー。じゃね」


にひっと笑いながらばいばいと手を振ると、その子達もひらひらと手を返してくれた。


誰かに見られたらどうしよう。


そう言えばそんな事、全然考えていなかった。