「やや!ジョゼフ君じゃないですか宋太はーっ?」


いつもながらこいつの対応の変化を知っているだけにこいつに話しかけられると違和感が否めない。


出入口を見ると清里と兼笠の出番が終わって控え室に戻って来た所だった。



「おーおつかれそれから俺はジョゼフでもセバスチャンでもねぇそれと佐木原は『狛音をそんな見知らぬ人間達の坩堝(ルツボ)になど連れて行けるか!いや行けないこれ反語!!』とか言ってたから来てねぇ」

「あー…現役は違うな……」


俺の報告を聞くなり携帯を取り出し佐木原家に電話をかけはじめた清里から目を外して兼笠に目をやれば…
魂が抜けるような一言を吐き出し椅子にもたれかかった所だった。





「おう、お疲れ様」

「まじ疲れた…」


まぁ俺も清里にネタ覚えさす作業手伝う羽目になってそこでそれなりに精神を削ったわけだが。

しかも覚えさせたネタほとんどあの女喋んなかったし。
…報われねぇんだよ。ほんと。


こいつの場合はでかい声を出したからだろうけど。



「坏宮が行ってくれりゃあよかったのに…」

「いやいやいや。
俺じゃあのテンポは作れねぇって」

「でも得意だろ?
ギャルゲーとか腐女子とか」


いやいやいや。




「いやまじふざけんなよおま「やっだやっぱこっちの子もなかなかハイレベル!!」


…なんか被ってきた。



「あぁ、カミレンピンクさん。お疲れ様です」

「はぅあっ!!
大人と子供の間を舞うようなこの美貌そして微笑み!!!!」



タラシ気質は、本当だもんね兼笠クン。




「おいピンク!
ここに酒はないはずなのになぜ酒気帯びセクハラをしている!?」



あー…熱苦しい人来ちゃったぁ…。