元はと言えば、自傷行為への欲求が消えない自身をなんとかしようと、精神科に行こうかどうか迷っていた時、彼に偶然会ったから相談したのが始まり。





長谷川サンは同じ喫茶店の常連同士、というだけであまり素性はわからない。

だけど何故か話してしまい、何故かこんな具合になっていた。
















「直感で答えて下さいね?
では、最初の質問です」

カードを指し示していた手を口元で組んで、続けた。



「今の生活は太陽ですか?月ですか?」



私は迷わず太陽を指す。




その指先と、私の目をしばらく交互に見ると、再び彼は口を開く。









「では、今の莉子さんの家庭はどちらですか?」






私はまた太陽を指す。


我ながら、なんて機械的な動きだろう、と思った。







「……では、クラスメートは?」








太陽。












少しの沈黙。



不思議に思っていると、またさっきと変わらない様子で質問を投げ掛ける。






「友人は?」






クラスメート=友人としなかったのは先からの答えで私がそういっためんどくさい線引きをするタイプだと気付いたんだろう。







私は机の上に投げ出されていた自分の腕を膝の上に引っ込めた。