「でも…ごめんね?嬉しいの」
「?何がや?」

少し、俯いた後。
紗耶香はまた口を開いた。
本当に幸せそうな顔で。








「こうして、邪鬼が私のすぐ近くにいてくれる事が、幸せでたまらないの」










寝起きのためか、その瞳を潤ませて。
本当に、
本当にあどけなく微笑うのだ。






衝動は、一瞬。


邪鬼は意図せずしてその華奢な身を抱きしめ、そのまま唇を重ねた。