奥にあった個室で、紗耶香は静かな寝息を立て始めていた。
邪鬼の方は所在なげに、ベッド脇の椅子に腰掛けその寝顔を眺めていた。
「ん…」
「…」
僅かに洩れた声に、妙な気分を覚え赤くなる。
(なんや…これ…)
意識。
"紗耶香が自分のすぐ横で寝ている"と言う事実が妙に自分の中で強く意識される。
これがなんなのかわからない。
紗耶香と知り合い出してからそんな事ばかりなのだ。
知らない感情ばかりがせりあがってくるのである。
我に返れば、視線。
慌ててそちらに首を巡らす。
「おっ起きたんか?紗耶香」
軽くベッドの上で身を起こす仕草にさえもむず痒い衝動が込み上げてくる。
本格的に自分の内情が心配になってきた。
頷きながら紗耶香は軽く目をこすると、申し訳なさそうに口を苦笑する。
「いつもごめんね?付き合わせちゃって…」
「なんや。気にせんでええで。そんな事」
いつもなら、此処で終わり。
揃って皆の所へ戻るのが二人のパターン。
しかし紗耶香の言葉はなお続いた。
邪鬼の方は所在なげに、ベッド脇の椅子に腰掛けその寝顔を眺めていた。
「ん…」
「…」
僅かに洩れた声に、妙な気分を覚え赤くなる。
(なんや…これ…)
意識。
"紗耶香が自分のすぐ横で寝ている"と言う事実が妙に自分の中で強く意識される。
これがなんなのかわからない。
紗耶香と知り合い出してからそんな事ばかりなのだ。
知らない感情ばかりがせりあがってくるのである。
我に返れば、視線。
慌ててそちらに首を巡らす。
「おっ起きたんか?紗耶香」
軽くベッドの上で身を起こす仕草にさえもむず痒い衝動が込み上げてくる。
本格的に自分の内情が心配になってきた。
頷きながら紗耶香は軽く目をこすると、申し訳なさそうに口を苦笑する。
「いつもごめんね?付き合わせちゃって…」
「なんや。気にせんでええで。そんな事」
いつもなら、此処で終わり。
揃って皆の所へ戻るのが二人のパターン。
しかし紗耶香の言葉はなお続いた。



