EMERALD



机の下、世羅はみちるの足を軽く蹴る


「え?」

「殿下に挨拶しないの?」


世羅の指差す方向に、みちるが首を向ける


「き、きゃ──・・・・・・ムガッ!!」


叫び出すみちるの口を、世羅が両手で強くおさえる


「ふぇ、ふぇいら?」

「ここ、図書館よ。叫んじゃダメ。分かった?」


頷くみちるを確認して、世羅はふさいでいた手をパッと離す


「良かった」

「・・・・・・ご、ごきげんよう・・・殿下?」