長い髪を揺らして、シェリアは自慢気に言い返した


《それは良く知ってます。あ、セーラ嬢に会われましたか?》

《ん?えぇ、会ったわよ。可愛らしい子ね。あの愚弟には勿体無いくらい》


国民が誉め称える第2王子を、愚弟と罵ることが出来るのは、彼女だけだろう

そう思うと、エマは耐えきれず笑ってしまった


《なぁに?》

《いいえ、別に。で、セーラ嬢はどこに?》

《置いてきたわ。リーザから逃げるので、必死だったから》