《い、いえ・・・。私の方こそ、勝手に入ってしまって、すみません・・・》 驚いた自分を落ち着かせ、世羅は老紳士を真っ直ぐ見つめる 《構いませんよ。エディリアの末の姫に聞いています。貴女が、〝あの〟セーラですね?》 〝あの〟? 少し引っかかるが、初対面の相手に失礼なことは聞けない 世羅は追求せずに、視線を庭へと移した 《見事でしょう?六代前のベルンハルツ王妃が作らせた、緑の迷宮。作られた当初は、今の三倍はあったそうで》