EMERALD



頬に触れる指先は、ほんの少し、冷たい

顔色も、決して良いとは言えない


《セーラ・・・・・・。夢の中だけでも、君に逢えるんだ・・・》


泣きたくなった

世羅は堪えきれず、一粒の涙を、レオナードの頬に落とした


《・・・・・・・・・・・・・・・》


レオナードの瞳が、完全に閉じられた

眠ったのだろう

世羅は耐えきれず、寝室を逃げ出した


覚悟はあった

けれど、来てみて実感した

自分は何もできない