《けど、貴族が貴族であるためには、必要なことよ。後世に残さなくてはいけないもの》 《えっと、家柄を、とか・・・?》 世羅の言葉に、エマは仕方ないと笑う 《それも間違いじゃない。けど、本当に残さなきゃいけないのは、貴族の誇り、かもしれないわね》 《誇り・・・》 《騎士は王に忠誠を誓い、その誇りを守るために戦う。貴族も同じ。貴族には貴族の誇りがある。それを後世に継がすためには、揺るがない後ろ楯が、必要なのよ》