たった一人の少女に逢った瞬間、僕は初めて王子の名を恨めしく思った

彼女に触れるため

彼女の心を手にするため

彼女へ気持ちを伝えるため


僕は全てを捨てたくなった


けれど、出来なかった

彼女への思いを残して、僕はベルンハルツに帰った




ベッドの上で、瞳をゆっくり開く

夢を見ていた

とても、幸せな夢を

決して、叶うことのない夢を


《・・・・・・・・・セーラ・・・?》