「ママ・・・?」

「え・・・・・・?」


辺りを見回し、母の姿を探す世羅の裾を、誰かが引っ張った


「ボク、もしかして・・・迷子?」


今にも泣きそうな顔をしているのは、多分、5歳かそのくらいの、幼い男の子


「ママ、いないの・・・」


耐えきれなくなったのか、大きな瞳から溢れる涙


「・・・ボク、名前は?私は世羅」

「せ・・・?」

「せ・い・ら。君の名前は?」

「・・・・・・海人」