「・・・好きじゃ、なかったんですか?」 疑問だらけで、世羅は首を傾げる 「えぇ。嫌いではなかったけど、好きでもなかったわ。いろいろあって、結婚したの」 「・・・今も、好きじゃないんですか?」 恐る恐る、世羅は聞いてみた 「結婚生活の中で、好きになっていったわ。それでも、いろいろ苦労があったのよ?」 「苦労、ですか?」 潮風が、2人の髪を舞い上げる 「住む世界が、違いすぎるから、慣れるためにたくさん努力したわ。実を言うと、こういう場所、今でも苦手なの」