EMERALD



「私、乗ったことないもの。どんな風なのか、少し興味があるわ。お昼寝できるくらい、広いのか、とか?」


笑う世羅につられてか、レオナードも笑う


「広いよ。私でも、横になれるくらい」

「そう・・・」


ページをめくり、遠くで聞こえるざわめきから意識を逸らす


「綺麗な、指だね」

「・・・・・・そう?」


透明に近い白のマニキュアを施した、世羅の指先

他の色を試す気にはなれなくて、いつもこの色

飾りをつけたりもしない