EMERALD



王子様を探しているらしい


「楽しそう」


そう言えるのは、傍観者に徹しているから

探し回る女子生徒は必死過ぎて、お世辞にも可愛いとは言えなくて・・・


────カタ・・・ッ


微かな物音に、世羅が顔を上げる

視界を染め上げる、鮮やかな金色


「あ・・・」


見覚えのある顔に、世羅の動きが止まる


「こんにちは、セーラ」

「こんにちは。・・・・・・レオ、だったかしら?」