EMERALD



「殿下に会いたくないんですか?」

「えっ?」


ジャンの問いに、世羅があからさまに動揺する


「殿下が、何かしましたでしょうか?」

「・・・・・・・・・・・・私にも、良く分からないんです」


世羅がうつむいて、言葉を探す


「無駄だと分かっているのに手を伸ばすなんてこと、私は絶対にしないと思ってるんです」


幼い頃から、胸に刻んできたこと

どんなことがあっても、決して破らなかった自分のルール