逃げたのは違うと思う 「・・・・・・・・・・・・あれ?世羅がいない」 恨めしげに美優を見送り、世羅を振り返れば、そこに居るはずの人物がいない 「・・・・・・捨てられた」 ガクッ、と肩を落として、みちるは半分白紙の課題のプリントを手にして、ため息をついた 図書館のカウンターに本を差し出し、パソコンがバーコードを読み取るのを待つ 「はい。返却を忘れないでね」 「ありがとうございます」