皇太子はいるけど・・・ そんな風な返事を、みちるは期待していなかったらしい 顔をギリギリまで近づけて、一言一句はっきりと告げる 「ベルンハルツ公国の王・子・様!」 「あ・・・、本物・・・」 あだ名とか、呼び名だと思っていたが、リアルだったらしい 「留学生で、今日からここの学校に通うんだって。昨日、あれほどニュースに出てたのに」 呆れたようなみちるの言葉に、世羅は苦笑いを返すだけ