EMERALD



見上げて、世羅はレオナードに笑いかけた


「自分がいらないものを、他の人に押し付けてしまうんだもの。優しく見えても、中身は違うわ」


歩き出し、レオナードは世羅の後を追う


「もうすぐ花火の時間だわ」

「そうだね」


一時間だけの約束だから、少ししか見れない

それでも、やっぱり見たい


「見やすい場所、みちるに教えてもらったのよ」


レオナードの手をとり、世羅は人混みから逸れる