EMERALD



結局、とれたのは世羅の一匹

袋の中で泳ぐ、赤い小さな金魚


「・・・・・・・・・・・・・・・」


金魚を見つめて、世羅は苦笑いを浮かべる


「金魚は、嫌い?」

「・・・いいえ。金魚自体は好きよ。ただ・・・」

「ただ?」


レオナードの顔を見上げて、世羅は困ったように笑う


「すぐに、死なせてしまうの。可哀想だわ」

「金魚は、飼うのが難しいの?」

「そんなこと、ないと思うけど・・・。どうしてかしらね。いつも、すぐに死なせてしまうの」