EMERALD



乾いた笑いに、世羅は呆れた笑いを返すだけ


「帰りましょ」


「そうね」


ピタリと笑うのを止めて、世羅は母の荷物を持って歩き出した






《殿下!逃げ出すなんて、信じられません!ここは我が国ではないのです。行動には気を付けていただかなければ・・・》

《分かってるよ。だからこうして、戻ってきただろう?》


笑うレオは、車に乗り込み手にした薔薇の花を眺める


《空港に、花屋なんてありましたか?》