EMERALD



立ち上がり、世羅はレオナードに尋ねる


「確か、夏目漱石の【こころ】、だったかな?教科書に載っていて、興味が湧いたんだ」

「夏目漱石・・・、それなら・・・・・・」


言いかけて、世羅は少し考え込む


「あ!ここにあるわ」


先程、適当に選んだ本の中に、そのタイトルがあった

思い出して、世羅は重ねられた本から、目的の本を抜き取る


「どうぞ」

「いいのかな?借りるんじゃ・・・?」

「暇潰し、のつもりで、適当に選んだから、大丈夫」