ＥＭＥＲＡＬＤ

職員室に向かう松美が、世羅の頭を軽く撫でて戻っていく


「留学･･････」


考えもしなかったことだが、最も望ましい選択なのかもしれない

かといって、その場の勢いで〝はい〟とは言えない

現実を考えれば、必然的に〝いいえ〟となってしまう


「世羅──！！帰ろ──！！」


大声をあげながら、みちるが廊下を走ってくる


「みちる･･･。待っててくれたの？」

「当たり前でしょ？帰ろ？」