空き教室のイスに座り、松美は進路希望の紙を世羅に渡す 「何か、問題がありましたか?」 確かめてみたが、記入漏れはない 「翻訳家を目標としているなら、留学の方がいいんじゃないかと思って、呼んだんだ」 「留学、ですか?」 進路希望の紙は、全て国内の大学だけ 留学など、考えもしなかった 「私は、日向が国内の大学でもいいと思うなら、無理強いしないが・・・」 「うちは、そこまで裕福じゃないですし・・・。留学は・・・」