その日は雨で、図書館の窓は全て閉め切っていた 窓を叩く雨は、時間がたつごとに強くなっている いつもは静寂に包まれる図書館も、今日は雨音に包まれる 「座っても、いいかな?」 「・・・・・・どうぞ、殿下」 本から顔を上げ、世羅は優しく微笑んだ 無言の時が流れる 雨の音と、本のページをめくる音 その中に混じる、爽やかな香り 「1つ、聞いてもいいかな?」 「どうぞ・・・??」