口をあんぐりと開けて俺をみる先生。


「は?
だってあたし、君の英語担当じゃないし」


そんなに驚かなくてもいいじゃないか、と思ってしまうくらいのリアクションに
思わずクスッと笑ってしまう俺。


「だって南先生って質問とかできる雰囲気じゃないじゃないですか?
それに先生のことは後輩からよく聞いてるし。
分かりやすいって評判ですよ、高岡先生。」


一瞬でさっと赤らむ顔に
何だか俺までドキドキしてしまう


「お…教えるって?
何を?」


「俺ね大学受験、推薦でいこうと思ってて。
だから今度の期末と模試は絶対頑張んないといけないんですよ。

たった一ヶ月だけだからさ。
ね?先生!お願い!」




本当は家庭教師だっているし
英語は得意な方だし
あえて言えばこの先生に頼まなくったって、他にも良い先生はたくさんいる

だけど。
少しだけ戸惑いながら
「…分かった。
けど!
放課後少しだけだよ。
本当に分からないとこだけ…だからね。」

と言った彼女に。
俺は柄にもなくガッツポーズなんてとってしまって

胸が躍るのを隠し切れなかったんだ