呼び止めたのはあたしの心。






「…きなの。」


「え?」


「…好きなの。赤谷君のことが」




静かな教室に
校庭の方から規則正しいホイッスルの音が聞こえる




「…あたしも赤谷君のこと好きなんだよ?」









この恋を
始めてしまったのはあたし。

大人として
決して言ってはならないことを言ってしまったのもあたし。

何もかも全部あたしのせいだから。



だからどうか神様。

ほんの少しだけでいいんです。



このちっぽけでがらくたみたいな恋のかけらに











未来を与えて下さい











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