こんなことに心を乱されてる暇はない。
あたしには他にもやらなきゃいけないことが、たくさんあるんだから。

無邪気に友達と笑い合う彼の姿を横目に
あたしはそう心の中で小さな決心を固めた




もう長らく恋なんてしてなかったからだろうか。
元彼とは本当にたくさんの思い出があるけど、こんな風に胸が痛くなったり
心が苦しくなることなんてなかった

安定した恋。そんなふうに言ってしまえば聞こえが良いけど
きっと最初の頃のような想いが蘇ることは、もうなかったんだと思う


そんなことをひたすら自問自答していると
突然頭の中に大きな声が鳴り響いた




「せーんせっ」




ぼーっとしてた頭が
一気に覚醒する
あまりの驚きに声すら上げそうになった