何も言うことができないずるいあたしを許してくれたのは彼の方だ

目の前のリスクに怯えて
周りの視線から逃げて
自分の保身ばかり考えて…

未だにその状態は改善しそうにもない

やっぱりあたしは生徒たちの目が怖いし
どこかでバレるんじゃないかって恐怖が心の中を支配してる



だけどそんなあたしを分かったように
「大丈夫だよ」って声をかけてくれるのは他でもない寛人で。
その度に情けなくなる自分がいて


いつからだろう

少しずつその距離が“苦痛”になっていったのは。
見えないふりをしていたのに
そのふりさえもできないくらいの溝が
あたしの心を支配していったのは