明け方。
隣でぐっすり眠る先生の顔を見て、思わず笑みがこぼれる

何て可愛い顔して寝てんだよ…。


化粧を落とした先生はいつもよりずっと幼く見えて
何だか分からないけど、胸の奥の方がギュッと強く疼いた

後どのくらいの日を一緒に過ごせるんだろう
後どのくらいの朝を一緒に迎えられるんだろう


本当はどこかで分かってた
これが一生じゃないことくらい。

いつか別れがあることも。
いつか離れる日が来ることも。



「あれー?
もう起きてたの?」

いつの間にか目を覚ました先生が
寝ぼけ眼で俺を見た

「…うん。
おはよ、せんせー」




だからせめて少しでも長く
少しでも多く
俺の心の中が、先生との思い出でいっぱいになりますようにと
そう、強く願ったんだ



―HIROTO'S STORYⅡ END―