「…ごめん」


「謝らないでよ!

…好きな人って?
同じ学校の人?」


「…いや。
お前の知らない人だから」


「何それ…
突然別れてって…

寛人…こんなのひどすぎない?」


「…ごめん」



謝るだけで、何も与えない俺に
泣くばかりのリエ。



終わり方は最悪だった

多分俺はもっと綺麗な最後ってやつを夢見てたんだな、なんて思う



「本当にごめん」


「もう謝んないでって言ってんじゃん」


そう言った彼女は
俺に背を向け、教室から出て行った

一人取り残された教室で、深いため息をつく


そして彼女の後姿をぼんやりと思い出しながら
最後に心の中でもう一度だけ、“ごめん”と謝った