「ふ~ん。
じゃぁ当日は本気で頑張んなくちゃな~」


「うん。
応援してるから」


「へいへーい」



こんな当たり前の日常に、すっごく大きな幸せを感じる


最近は何だか色々と疲れてしまうことが多かったから。

こうやって彼と“電話”で話すということに、どこかで安心している自分がいた



「あっ。
明日先生の家行っていい?」


「…え?」


「あれ?何か用事でもある?」


バクバクバク。
嫌な心臓の音が胸に鳴り響く


「…うん。
明日は友達が家に来るの…。

ごめんね?」


「…そっか。
それなら仕方ないね。」


残念そうに声を漏らす彼に
胸がチクッと痛んだ


「じゃぁまた明日、電話で。

おやすみ、先生」


「おやすみ」



そう。

ほころびはもう、すぐ、目の前にあったのに

あたしはまた気付かないふりをしたのだから