「ううん。
そーじゃなくてさ…

せんせーって何か…



時々俺より年下に見えるもん。」


そう言ってまたけらけらと笑う彼に対し
あたしはからかわれた恥ずかしからか、また顔が高揚する


「もう!
そんなふうにからかうなら、ここ教えないよ!」


「ハハ!
嘘だって。
本気にすんなよ、大人気ないな〜」


「だって!
それは赤谷君が〜…」


あぁ。こんなんじゃ本当にどっちが大人か分かったもんじゃない。
ぐっと自分の気持ちをこらえて口を閉じた


「あれ?
せんせー?
もしかして怒ったー?」


「…別に。」


この放課後の補習を始めてから何度も感じてた。
彼は自分と他人との距離をとろうとしない

むしろ彼といる時は
あたしの心の中に彼がすっぽり侵入したみたいだった


「ごめんってー
先生可愛いから、ついいじめたくなっちゃうんだよねー」



ほら。
例えばこんな時。

あたしはどんな反応をとったらいいのか
すぐに分からなくなってしまう。