手元の時計を見た彼は
突然慌てた様子で荷物を整理をし始める


「何か用事でもあるの?」


まだ他の先生の会議が終わるまで少し時間がある
だからそんなに急がなくったっていいのに…

そんな気持ちがそのまま表情に出ていたからだろうか。
彼はそっと優しくあたしの頭を撫でた


「そんな寂しそうな顔しないでよ。
今日後輩に部活行くって言っちゃってさ」


「…そっか。
でも一応受験生なんだから、怪我には気をつけてよ」


「分かってるって。
もうすぐ大学推薦の面接もあるし。

それが終わったら先生とも気兼ねなく会える」


そう満足気に言った彼の子供っぽい表情に
あたしはまた思わず笑ってしまう


「そうだね」


「じゃぁまた。
夜電話かける」


「うん。
部活頑張って」