「…先生。
この一ヶ月間本当ありがとうございました。
俺。
先生とのこの時間すげー楽しかったよ。

だから。
…明後日の模試絶対頑張るから」



本当は気付いてた。
先生を毎日毎日知っていく中で
確実に俺の中に大きな変化が起きてたこと。

気付いてたけど。
こんなのあまりに現実味がないじゃないか



「…うん。どういたしまして。
でもあたしみたいなのが役に立てて、本当良かったな」



“みたいなの”
これは先生の口癖だ

先生は先生。
立派な俺たちの教師なのに



「みたいなの、とか言うなよ。
先生、もっと自分に自信持った方がいいって。

教え方だって分かりやすいんだから。

それにさ。
何と言っても先生、可愛いし。
後、からかいがいもあるしー。
あ、妙に幼いとこあって、親近感もわきやすいかもな。

だからさ、俺は先生のこと好きだよ。」



ついぽろっと出てしまった本音に
思わず口を閉じる

あ…やば。

そして恐る恐る先生の方に顔を向けると
そこには予想外の

いや。

想定内の顔をした先生がいた