「いいから黙ってろよ」
怒っているのか少し乱暴な陸さんの口づけは息ができないくらいだった。
強引に押し倒されたが、さすがにこれ以上は翔真さんが近くにいるのに無理!と思い、拒んだ。
「あー。翔真のヤロー起きたらただじゃおかねぇ」
横にゴロンと仰向けに寝転がった陸さん。
「別に翔真さんが悪いわけじゃないじゃん」
「いや、こいつのせいだし。でもムカつくことばっかされてんのに、なんか憎めないんだよな…こいつって得な性格してると思わね?」
確かにそれはあたしも少し思った。
ムカついたりはするけど、別に嫌いではないかも。
「奈緒、手ぇ貸して?」
陸さんの方に手を差し出すと、ぎゅっと握られた。
あたし達は布団の中で寄り添い、手を繋いで眠りについた。
大きくて、温かくて、優しい手。
この手が大好き。
ずっと離したくない。



