「だからそいつには手ー出すなって言っただろ」
聞き覚えのある声にどきっとしてしまう。
玄関の方を見ると、陸さんがこちらを見ていた。
「陸さん!!おかえりなさい!」
「ただいま……つーか翔真、お前うぜーし」
「はぁ?お前の女が寂しそうにしてっからかまってやっただけだろ」
2人の間に変な火花が散る。
「ま、まぁ…、陸さんもう鍋できてるから!早く中入って!!」
あたしがいそいそと中に入ろうとした時、翔真さんがぼそっとつぶやいた。
「……陸の前でしか見せない笑顔があんだな」
…え?なに?
あたしは聞き返さずに部屋の中に入った。
陸さんが帰ってきて、長テーブルに鍋を置いてみんなでそれを囲む。
エスペランサの人達もみんないい人たちで、終始和やかに誕生日会は進んでいった。



