所々涙で文字が滲んでいるような部分があった。


たった14歳でこんな重い事を背負っていたなんて辛すぎる。


自分だったらどうしていただろうか。



陸さんは手紙を見つめたまま微動だにしない。


しばらくしてから視線を理香子に移した。



「ごめんなさい今更・・・でも陸さんにはお姉ちゃんの事忘れてほしくなくて・・・」



泣いている理香子の頭を、陸さんはポンと撫でた。



「この手紙、見つけてくれてどーもな理香子。…俺は百合を忘れたりなんかしねーよ。つーか忘れるなんてできるわけねんだよ・・・」



「はい・・・」



「・・・でもこんな俺をまるごと全部受け入れてくれたのがこいつなんだ。こいつは、百合の事も俺の事もちゃんと考えてくれている。…だから俺たちの事、許してくれるか?」



そう言って、あたしの腕を掴んだ。



「理香子・・・百合さんの事、半分も知らないあたしだけど、絶対絶対忘れない。あたし達の中で、百合さんはずっと生きているから」



理香子はあたしの顔を見て静かに頷いた。



「恐かったの・・・お姉ちゃんが死んで、陸さんは色んな人と付き合ってたけどどの人とも本気で付き合うことはなかったのに・・・あんたと付き合ってから陸さんが変わってって・・・それはお姉ちゃんが望んでいた事だったのにあたしは納得できなかった」