「・・・ありがとう・・・」


涙が次々と溢れてくる。


それは嬉しいからなのか悲しいからなのかはわからない。


陸がそんなあたしをそっと抱きしめてくれた。



陸・・・陸・・・陸・・・!!!


助けてって叫びたい。


“あたしレイプされちゃったよ”


その言葉が喉まで出かかっている。



でもそれを伝えたら陸はどんなに悲しむだろう。


傷つけたくない。


あたしは黙って陸の胸の中で泣くことしかできなかった。






それからというもの、あたしの中に魂が入っていないんじゃないかっていうくらいボーっとした毎日を過ごした。



ご飯もあまり食べれず、親はもちろん美由紀もどんどん痩せていくあたしを心配してくれた。


でも陸の前では平然を装った。


痩せたのはダイエットを頑張ったせいだと明るく振るった。


そうでもしなければカンが良い陸はすぐあたしの異変に気づくだろうから。




・・・もう疲れちゃった。


一生このまま重荷を背負って生きていかなければならないのは、すごく辛いことだった。