「陸・・・?お前が陸ってやつか?」


「あ?だったらなんだよ?」


「お前なのか・・・フッ・・・じゃぁ奈緒を抱いた事はあるよなぁ?」



こいつ・・・なに言いだすの!?



「はあ?」


「奈緒の肌はきめ細かくて吸いついてくるようだ。昔から何度も抱いているからな・・・
お前も抱いた事があるならわかるだろう??」


「ちょっ…」



陸さんに知られたくなかった事実。


そして栞達にも。


こんな形で知ることになるなんて…


手が震えてくる。




ダアアアン!!!




その時、陸さんが近くの壁を殴った。


手に血がにじんでいる。




「・・・うるせんだよ!その口二度ときけないようにしてやる!」



その拳を見た義父はガタガタと体を震わせている。



「・・・あった!!」



突然栞が叫んだ。


手足に繋がれている鎖のカギを見つけたらしく、あたしの元に持ってきた。


鎖は簡単に外れた。



「栞!奈緒ちゃんと先に出てろ!」



義父を抑えつけている亮輔さんが言った。



「了解!奈緒!行こう!!」


「う、うん…」


栞に引っ張られ、無我夢中で家を飛び出した。


陸さん・・・亮輔さん・・・大丈夫かな・・・


何度も何度も振り返った。